自分の顎に指をあてがう女性の画像
〈表皮と真皮ってナニ?〉

あなたは皮膚がどのような作りになっているかご存じですか?

おそらく細かいことまではご存じないですよね。

皮膚は1枚の薄い膜だと思いがちですが、実は3つの層からなっています。

具体的には、外側から順に「①表皮(ひょうひ)」「②真皮(しんぴ)」「③皮下組織(ひかそしき)」といいます。

この3つの中でスキンケアの中心となるのが「表皮」と「真皮」です。

何事も「重要な部分を先に押さえることが大事」という考えのもと、この記事では、皮膚の組織構造の中でも「表皮と真皮の役割」に絞ってお伝えしていきます。

美肌になるための知識を得たい方は、わずかな時間お付き合いください。

 表皮の役割

肌の構造を細かく示した画像
〈私たちの肌の構造〉

皮膚のいちばん上にあるのが「表皮」です。

そして、その中でも最も外側にある部分は「角質層(かくしつそう)」と呼ばれており、すでに死んだ細胞からできています。

この死んだ細胞が隙間なく並ぶことで角質層は頑丈なバリアとなり、外からの刺激が肌の内部に入るのを防いでいるのです。

このような機能のことを「角質のバリア機能」といいます。

表皮の役割は、この「角質のバリア機能」「保湿機能」の2つに大別することができます。以下で1つずつ見ていきましょう。

 1.外からの刺激を肌の中に進入させない「角質のバリア機能」

クレンジングの際に肌をゴシゴシ擦ると角質層に傷がつき、そこが隙間になってしまいます。

隙間ができると、そこが外的刺激の通り道になってしまい、「バリア機能の低下」につながりかねません。

角質のバリア機能が低下すると、さまざまな刺激が肌の中に進入しやすくなるため、結果として敏感肌になってしまったり、体がかゆくなったりします。

正しくない知識に基づいてスキンケアをし続けた結果、角質層を傷つけてしまい、不本意ながらも自分で自分を敏感肌にしてしまっている方が少なくないので、充分に注意してください。

そもそも顔の角質層は約0.02mmしかないので、ゴシゴシ擦ったりして乱暴にすると簡単に傷んでしまうのです。

 免疫反応(めんえきはんのう)ってナニ?

角質層の下には「表皮」があります。

ちなみにこの「表皮」という言葉に関しては、①角質層と表皮を分けて呼ぶ場合・②角質層も含めて表皮と呼ぶ場合、の2種類があるので混同しないようにしてくださいね^^

このパートでは、①の「角質層と表皮を分けて呼ぶ場合」で解説しています。

少し脱線してしまいましたね、ハナシを戻します。

角質層の下は表皮、ココは角質層とは異なり、生きた細胞が積み重なってできています。

外からの刺激が角質層を通り抜けて進入してくると、表皮の中の免疫をコントロールしている細胞がそれを察知し、外へ締め出すように働きます。

この働きのことを、「免疫反応」といいます。

 2.肌の中のうるおいを保つ「保湿機能」

肌の内部のうるおいを保つ役割を担っているのが、角質層にあるセラミドという細胞間脂質(さいぼうかんししつ)です。

細胞間脂質というのは、「角層の細胞と細胞の間にある脂質のこと」を指し、保湿効果を保つという特徴があります。

この細胞間脂質の約40%を占めているのがセラミドです。

セラミドは水と結びつくことによって蒸発を防ぎ、結果としてそれが肌の水分になります。

要するにセラミドが多いか少ないかで「肌のうるおい度」が決まるのです。

このことから、弊サイトでは効果的な潤いケアは何かと問われた際には、「セラミドを含んだ保湿美容液を使用すること」と答えています。

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 真皮の役割

表皮と真皮の間には、「基底層(きていそう)」という薄い膜があります。

この基底層は、さまざまな刺激から肌を総合的に守る重要な役割を担っているところです。

そして、基底層を間に挟んで表皮の下にあるのが「真皮」です。

真皮の主な役割は、「肌の弾力を保つこと」です。以下で見ていくことにしましょう。

 網目状の構造で肌の弾力を保つ

真皮には、コラーゲンという丈夫なタンパク質の繊維(せんい)が張りめぐらされています。

人体には30種類以上のコラーゲンがあり、その中でも「コラーゲン繊維」は、真皮の約70%を占めるに至っています。

このコラーゲン繊維を、一定の間隔を保って支えているのが「エラスチン線維」です。

言うなれば、コラーゲン繊維が「ベッドのばね」・エラスチン線維が「ベッドのばねを止めるボルト」となります。

このコラーゲン繊維とエラスチン線維による支えがあるため、肌は外からの刺激に耐えることができるのです。

 真皮におけるヒアルロン酸の役割とは?

ヒアルロン酸のジェルを手に乗せている画像
〈化粧水などで耳にするヒアルロン酸〉

コラーゲン繊維やエラスチン線維でつくられた網目の間を埋めているのが「ヒアルロン酸」というゼリー状の物質です。

ゼリー状のため弾力に優れており、真皮の網目構造を保つ役割を担っています。

このヒアルロン酸は、水分を維持する力がとても強いため、「化粧品の保湿成分」として用いられることが多いです。

先ほどのベッドの話しでいうと、「ベッドのマットレス」に例えることができます。

 表皮と真皮に優劣ってあるの?

ここまでお伝えしてきたことから分かるように、表皮と真皮は、それぞれ担っている役割があります。

絶対に覚えておいてほしいのが「この2つに優劣などない」ということ。

つまり、表皮も真皮も単独で働いているわけではないのです。

お互いに連携することで肌を健康でキレイな状態に保っているため、どちらか一方にだけ気を配っておけば大丈夫ということには決してなりません。

なので、表皮・真皮ともに健康な状態を保つことを念頭に置いて、日々のスキンケアを行っていきましょう。

 まとめ

間違った知識に基づいてスキンケアをし続けることは危険です。

美しい肌を手に入れたければ、まずは肌・皮膚に関する正しい知識を持ちましょう。

正しい知識をもとにスキンケアを行っていけば、あなたの肌はキレイになっていくことが約束されたようなものです。

間違った情報や宣伝文句におどらされないためにも、「スキンケアの土台となる基礎知識」を一つずつ確実に身につけていってくださいね^^